『働かざるもの、飢えるべからず。』(小飼弾著)

新書版が出た
というのに、やっと単行本版を読んだ。

読むのが遅かった。
これは、これからの21世紀の社会構造の変化を見据える上での必読書だった。

・『フリー』(クリス・アンダーソン著)
・『評価経済社会』(岡田斗司夫著)
 
の 2冊の本(これも必読)から見事に話しがつながっている。


3冊とも、物、金が(一応)満たされた後の社会を取り上げているのは同じ。

 ・『フリー』ではまず、ビット(デジタルなもの)はフリー(無料)になり、アトム(物質的なもの)もフリーに向かって行くと説く。その流れは止めようがない。その中で、どうやって利益を上げるかについて考察し、フリーミアムモデルなどを挙げている。

 ・『評価経済社会』ではさらに一歩進んで、そもそもフリー化する社会では利益をあげることは重要でない、と言い切る。評価がフォロワー数、イイネ!などで数値化できるようになり、利益を産むようになる。さらには、貨幣の自体の価値が下がり、評価、評判などの方が重要になっていく社会を予測している。

そして、そういう社会に適合した FREEex という仕組みを提唱し、岡田斗司夫氏自身が仕事からは収入を得ないというFREEexの第1号として実践を始めている。これには、大変注目している。

・そして、『働かざるもの、飢えるべからず。』。
上の2冊が予見するフリー化する社会では、どういう社会制度がよいかを大胆に提案している。それが、社会相続(遺産を国に)、ベーシックインカム(その財源として相続税を)、土地所有から利用への転換。
これ、大阪維新の会の船中八策で早速取り入れようとしている。さすが!

三冊ともに、フリー化する流れは必須と見ている。その流れの中で、働く意味が根本的に変わっていく。「生活のため、お金のために働く」から「働きたいから働く」への転換。そのために、
『働かざるもの、飢えるべからず。』では、お金を稼がなくても生きていける社会を築く方策としてのベーシックインカムを取り上げている。


いや〜、これらを読むと今ってまさに社会の転換期なんだと感る。これって、その中にいると感じられないけど、あとから振り返ったら驚くほどの変化。この変化におまえは付いて行けるのか?と問われている気がする。ワクワク!



この流れで、補強したいのがエネルギー問題。
これについては『働かざるもの、飢えるべからず。』でも少し「エネルギー・パケホーダイ」として触れられているが、具体的提案としては『マグネシウム文明論』のマグネシウムや『脱「ひとり勝ち文明論」』の太陽光発電と太陽電池がそのヒントとなりそう。


さらに、次に読みたい本が出てきた。『パブリック』。今までのプライバシー重視からパブリック化への流れを語る。まさに、プライバシーの『フリー』化の話し。面白そう。



働かざるもの、飢えるべからず。 だれのものでもない社会で、だれもが自由に生きる――社会システム2.0 (サンガ新書)働かざるもの、飢えるべからず。 だれのものでもない社会で、だれもが自由に生きる――社会システム2.0 (サンガ新書)
著者:小飼弾
販売元:サンガ
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働かざるもの、飢えるべからず。働かざるもの、飢えるべからず。
著者:小飼 弾
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フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
著者:クリス・アンダーソン
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評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている
著者:岡田 斗司夫
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マグネシウム文明論 (PHP新書)マグネシウム文明論 (PHP新書)
著者:矢部 孝
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脱「ひとり勝ち」文明論脱「ひとり勝ち」文明論
著者:清水 浩
販売元:ミシマ社
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パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよパブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ
著者:ジェフ・ジャービス
販売元:NHK出版
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